【ファイナンス】資金課題と状況別に選ぶ解決策

解決策まとめ

現在の状況 起きている課題 解決の方向性 主な選択肢
<ケース1>
直近の支払いが厳しい
入金と支払いのタイミングが合わず、一時的に手元資金が不足している
入金を早める 支払いを遅らせる
<ケース2>
現在は問題ないが、数か月後の資金が不安
将来の支出に対して、手元資金が不足する可能性がある 中長期の資金を早めに確保する
<ケース3>
成長のために投資したいが、手元資金が足りない
手元資金だけでは、開発・広告・採用などを進めにくい 目的に合った外部資金を活用する
<ケース4>
手元資金に余裕があるが、活用方法が分からない
預金として保有するだけでよいか判断できない 必要資金を残し、将来の備えや投資に活用する

表の右側を横にスライドすると、課題と選択肢を確認できます。

図の中だけを横にスライドできます。各項目を押すと詳細を確認できます。

※各選択肢の位置は、一般的な利用目的と準備期間をもとにした目安です。

【ケース1】 直近の支払いが厳しい

売上や利益が発生していても、取引先からの入金より先に、仕入代金、外注費、広告費、家賃、給与などの支払いが発生すると、一時的に手元資金が不足することがあります。

この状態を放置すると、取引先への支払いが遅れたり、必要な仕入れや広告を止めざるを得なくなったりする可能性があります。

一方で、売掛金や支払予定の請求書がある場合は、新たに長期の借入を行わなくても、入金と支払いのタイミングを調整できることがあります。

入金待ちの売掛金がある場合はファクタリング、支払予定の請求書と利用可能なカード枠がある場合は請求書カード払いがおすすめです!

比較項目 入金を早める ファクタリング 売掛金を入金日前に資金化する 出金を遅らせる 請求書カード払い 請求書の支払いをカードの引き落とし日まで延ばす
向いている状況 取引先からの入金待ちの売掛金がある 支払予定の請求書と利用可能なカード枠がある
資金繰りへの効果 売掛金を早期に現金化し、直近の支払いに充てられる 取引先への支払期日を変えず、手元資金の減少を遅らせられる
手数料の目安 売掛金の約5%~10% 支払金額の約3%
資金繰りの改善時期 申込後、最短即日で入金 カードの引き落とし日まで、出金を最大60日程度延長
審査・確認事項 売掛金の内容や、売掛先の信用力などに関する審査がある 融資のような審査は原則ないが、カードの利用可能枠を確認する必要がある
利用時の注意点 手数料を差し引いた金額が入金されるため、繰り返し利用すると利益や手元資金を圧迫する可能性がある 引き落とし日までに、請求金額と手数料を用意する必要がある
次に確認する ファクタリングの詳細を見る 請求書カード払いの詳細を見る

表の右側を横にスライドすると、2つの方法を比較できます。

※手数料や利用までの期間は、サービス、契約条件、利用するカードなどによって異なります。

【ケース2】 現在は問題ないが、数か月後の資金が不安

現在の手元資金に余裕があっても、今後予定している採用や仕入れ、納税、設備投資などによって、数か月後に資金が不足することがあります。

資金不足が迫ってから対応すると、申込みから入金まで時間のかかる方法を選びにくくなり、手数料や条件を十分に比較できないまま、短期的な資金調達に頼ることになりかねません。

数か月先までの入出金予定を整理し、資金が不足する時期と必要額を早めに把握しておけば、融資や補助金を含め、より幅広い選択肢から自社に合った方法を検討できます。

中長期の運転資金を確保したい場合は「融資」、設備投資や業務改善の負担を抑えたい場合は「補助金」が選択肢になります。資金不足の時期や必要額が明確でない場合は、まず資金繰りを見直すことが重要です。

比較項目 資金を確保する 融資 投資負担を抑える 補助金 不足時期を把握する 資金繰りの見直し
主な目的 中長期の運転資金を確保する 設備投資や業務改善の負担を抑える 将来の資金不足を事前に把握する
適している状況 数か月後の仕入れや採用などに備えたい ITツール導入、設備購入、新規事業などを予定している 資金が不足する時期や必要額が分からない
メリット まとまった資金を確保し、比較的長い期間で返済できる 対象経費の一部について、補助を受けられる可能性がある 必要な資金額と調達時期を事前に把握できる
資金を得られる時期 審査と契約の完了後に入金される 対象経費の支払い後に交付されることが多い 資金は増えないが、必要な対策を早めに検討できる
返済 元本と利息の返済が必要 原則不要 なし
主な注意点 審査や入金までに時間がかかるため、資金が必要になる前に申し込む必要がある 後払いが原則で、申請しても採択されない場合がある 売上だけでなく、将来の入出金予定まで整理する必要がある
詳細 融資の詳細を見る 補助金の詳細を見る

表の右側を横にスライドすると、各選択肢を比較できます。

※融資の審査期間や補助金の交付時期は、制度や申請内容によって異なります。

【ケース3】成長のための投資資金が足りない

新規事業やサービス開発、広告、採用などへ投資したくても、手元資金だけでは必要な金額を確保できないことがあります。

資金が貯まるまで投資を先送りすると、競合に先行されたり、市場の成長機会を逃したりする可能性があります。一方、十分な検討をせずに資金を調達すると、返済や支払いが資金繰りを圧迫したり、経営の自由度が低下したりするおそれがあります。

成長資金を確保する際は、必要な金額や資金の使い道に加えて、将来の売上から返済できるか、株式を渡してもよいか、投資効果が表れるまでどの程度かかるかを整理することが重要です。

広告やマーケティングへの投資には「RBF」、返済を前提に幅広い用途で資金を確保する場合は「融資」、設備投資や業務改善の負担を抑えたい場合は「補助金」、返済負担を抑えて大規模な成長を目指す場合は「エクイティ」が選択肢になります。

比較項目 売上を活用する RBF 将来の売上をもとに成長資金を確保する 借入で確保する 融資 返済を前提に幅広い資金用途へ活用する 投資負担を抑える 補助金 対象となる投資費用の一部について補助を受ける 株式で調達する エクイティ 株式を発行し、投資家から成長資金を調達する
主な目的 広告やマーケティングなどへの成長投資 運転資金や設備資金など、幅広い成長投資 設備投資や業務改善 新規事業やサービス開発
適している会社 継続的な売上があり、将来の売上を予測しやすい会社 将来の利益から、元本と利息を返済できる見込みがある会社 補助金の対象となる設備投資や業務改善を予定している会社 大規模な成長を目指し、投資家へ株式を渡すことを許容できる会社
調達の仕組み 将来の売上をもとに資金を調達する 銀行や日本政策金融公庫などから資金を借り入れる 対象経費を支払った後に、補助金の交付を受ける 株式を発行し、投資家から出資を受ける
返済・支払い 売上などに応じて支払いを行う 元本と利息の返済が必要 原則として返済不要 原則として返済不要
メリット 株式を渡さず、手元資金が貯まる前に広告投資を行える 経営権への影響を抑えながら、まとまった資金を確保できる 自己負担を抑えて設備投資や業務改善を進められる可能性がある 返済負担を増やさず、大きな資金を調達できる可能性がある
主な注意点 利用条件と総支払額を確認する必要があり、すべての会社が利用できるわけではない 審査と返済計画が必要で、元本と利息の支払いが続く 後払いが原則で、申請しても採択されない場合がある 株式を渡すことで、持株比率や経営上の意思決定に影響する可能性がある
詳細 RBFの詳細を見る 融資の詳細を見る 補助金の詳細を見る エクイティの詳細を見る

表の右側を横にスライドすると、各方法を比較できます。

※利用条件、審査、調達できる金額、支払条件は、サービスや制度によって異なります。

【ケース4】手元資金に余裕があるが、活用方法が分からない

会社に一定の資金が残っていても、そのまま預金として保有するべきか、将来のリスクへの備えや事業の成長に活用するべきか、判断に迷うことがあります。

ただし、手元資金に余裕があるからといって、すぐに法人保険や新しい制度を導入する必要はありません。目的が明確でないまま資金を使うと、必要なときに使える資金が不足し、将来の資金繰りを悪化させる可能性があります。

まずは、納税資金、当面の運転資金、近い将来に予定している支出を確保し、会社に残しておくべき金額を整理することが重要です。そのうえで、すぐに使う予定のない資金について、何のために活用するのかを検討します。

いずれの方法も、税務上の効果だけで判断するのではなく、会社の目的、必要な金額、資金を使う時期、期待できる効果を整理したうえで選ぶことが重要です。

比較項目 万が一に備える 法人保険 経営者や役員の万が一に備えて、事業継続資金を準備する 働く環境を整える 福利厚生 従業員が働きやすい環境を整え、採用や定着につなげる 将来の支給に備える 退職金の準備 役員や従業員へ将来支給する退職金の原資を計画的に準備する 将来の成長に備える 事業投資・人材投資 将来の売上や生産性向上につながる分野へ資金を使う
主な目的 経営者や役員の死亡・病気などに備える 従業員の働きやすさや満足度を高め、採用・定着につなげる 将来支給する役員・従業員の退職金原資を準備する 将来の売上拡大や生産性向上につなげる
主な解決策 事業保障を目的とした法人保険 サブスク別荘、食事補助、慶弔見舞金など 退職金の支給計画を作成し、必要な原資を計画的に準備する 新規事業、設備、人材、採用、教育などへの投資
メリット 経営者に万が一があった場合の事業継続資金を準備できる 従業員満足度の向上や、採用力・定着率の改善につながる可能性がある 必要な退職金額と支給時期を整理し、原資を計画的に準備できる 将来の売上増加や生産性向上につながる可能性がある
判断前の
確認事項
必要な保障額、保障期間、対象とするリスク 制度の対象者、利用条件、会社の負担額、継続的に運用できるか 対象者、退職予定時期、支給予定額、会社の資金負担 期待できる効果、必要額、投資資金を回収するまでの期間
主な注意点 保険料の負担や保障内容を確認し、必要以上の保障を付けないことが重要 対象者や支給方法によっては、福利厚生費として扱われない場合がある 支給時期や必要額を決めずに準備すると、資金が不足したり、過剰に資金を確保したりする可能性がある 投資効果と回収期間を検討しないと、資金繰りを悪化させる可能性がある
詳細 法人保険の詳細を見る 福利厚生の詳細を見る

表の右側を横にスライドすると、各方法を比較できます。

※法人保険や福利厚生の税務上の取り扱いは、制度の内容、対象者、利用条件、支給方法などによって異なります。節税効果だけでなく、会社にとって必要な制度か、継続して運用できるかを確認することが重要です。